光合成の大切さはわかったけれど、実際にどうしたらいいの?
そのための指標を今回提示します。
あなたの置かれた環境で、光合成を最大化することが目標です!他の人と比べて落ち込む必要はありません!
目次
<光合成の理想形を知るために、「呼吸」も知っておく>
光合成は、植物体内にある葉緑素に光が当たることで養分を合成する反応です。
もう一つ植物にとって大事な働きは「呼吸」です。
「光合成」と「呼吸」の二つに共通していることは、酸素と二酸化炭素のやりとりをしていることです。
光合成では二酸化炭素を取り入れて酸素を吐き出しています。
一方、呼吸では、酸素を取り入れて二酸化炭素を吐き出しています。
光合成は光がなければ行われませんから、光の当たらない夜は、植物は呼吸だけをしています。
植物は、一日中呼吸をしているので、光の当たっている昼間は、光合成と呼吸を同時に行っています。
<光合成と呼吸の差が正味の光合成>
一日のうちで、呼吸をすることで使うエネルギーを10だとします。
一日のうちで、光合成をして蓄えるエネルギーが30だとします。
この一日では、光合成で30ためたエネルギーを、呼吸によって10減らしているので、結果的に植物が一日で蓄えることができたエネルギーは20となります。
つまり、真の光合成は30ですが、正味の光合成は20です。
<光合成には限界がある>
光を当てれば当てるほど光合成は進んでいくかといえばそうではありません。
光飽和というものがあり、ある一定の光の強さ以上は光合成量が増えません。
これは植物の生存本能だと予想されています。強すぎる光には身の危険が含まれているのだと思います。
一方、光が強くなれば、基本的には気温も上昇します。
気温が上昇すると、呼吸することによって水を蒸散して身体の温度を下げようとします。
つまり、光が強くなりすぎると呼吸量が増加します。
結果に、光合成に飽和状態がおき、呼吸によってエネルギー消費量が増えれば、正味光合成量は減ります。
<光合成が最大になる要因の一つに、葉温という指標がある>
では正味光合成量を最大にするにはどういったことをしたらよいのか。
それは研究によって明らかになっています。
それは、葉っぱの温度が25℃前後のときに正味光合成が最大になる、ことです。
葉温は気温に似ていますが厳密には違います。
葉っぱで呼吸をすることにより蒸散が起こり、葉付近の温度は気温とは若干ずれてきます。
が、研究者でもない限り、葉っぱ周辺の気温が25℃になる状態を目指せばよいと思います。
<葉温25℃を目指すための農業資材>
農業資材にはさまざまなものがありますが、今回は温度を調整する資材をいくつか挙げてみたいと思います。
〇ビニールハウス
これは骨組みをビニールで覆うことでできる小屋みたいなものです。光は通すが冷気は通しにくいということで寒い秋冬春先に重宝します。
ビニールハウスの注意点は、閉め切ってしまうと酸素濃度や二酸化炭素濃度が濃くなってしまうことで植物の呼吸に障害をきたしてしまうことがあることです。
適度に空気を入れ替えることで、温度を調整し、酸素、二酸化炭素濃度も調整する必要があります。
また、骨組みに、寒冷紗をかけることで真夏の暑さを和らげることもできます。
寒冷紗にも種類がいくつかあり、黒色の寒冷紗(遮光ネット)、白色、銀色など。
それぞれ役割が微妙に違うのであなたの環境のベストなものをお選びいただくとよいと思います。
〇ビニールトンネル
ビニールトンネルは、畑にかまぼこ型のアーチ状の骨組みにビニールをかぶせたものです。
ビニールトンネルは、ビニールハウスと組み合わせて使う場所もあります。
どんな事情にせよ、目的は葉温を25℃に近づけることです。
ビニールトンネルで注意しなければいけないことは、ビニールハウス以上に急激に温度が上がることです。トンネル内の温度が25℃を優に超えて、40℃50℃もかるく上がってしまいます。天気によって開閉具合を調整して、できるだけ頻繁に調整してほしいと思います。
〇不織布
不織布は繊維を織らずに固めただけの布です。ちょうど木の繊維を使って紙を作るようなイメージです。
不織布とはいえ、かなり薄手に作られているので光を十分に通し、保温もされるという一石二鳥の農業資材です。
けれどビニールほどの温度上昇ではないので、これも適材適所で使ってほしいと思います。目的はあくまで葉温25℃です。
<植物栽培は結局はその畑ごとに計画をすべき>
キャベツを植えたい場所が午前中しか日が当たらない場所だったとしても諦めないでください。
その環境にはその環境にしかないキャベツができあがります。
植物は種がまかれた時からその地の気候を感じ取り、必死で生きようとします。
人間はその手助けをするだけです。
その手助けの一つに、葉温25℃を目指すということがあるだけです。そうならなければいけないわけではありません。
今は新しい農業資材がどんどん出てきています。その資材の組み合わせによって、その土地でのベストな方法があるはずです。
せっかくなら楽しみながら植物栽培をしていただきたいと思います。